
新たにサイトを作るとき、「サブドメイン」と「サブディレクトリ」のどっちを選べばいいのか?ここでは、それぞれのドメインの違いやSEO効果について解説します。
目次
サブドメイン、サブディレクトリとは?
独自ドメイン(ルートドメイン) | http://example.com |
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サブドメイン | http://●●●.example.com |
サブディレクトリ | http://example.com/●●●/ |
サブドメインとは?
サブドメインとは、「http://example.com/」という独自ドメイン(ルートドメイン)を基準として「http://●●●.example.com」のように付くドメインのことです。
サブドメインは、ルートドメインと別のサイトと認識されます。テーマの異なるサイトを新たに運営したい場合には「サブドメイン」が適しています。
サブディレクトリとは?
サブディレクトリとは、「http://example.com/●●●/」のようにルートドメイン内に展開されたURLのことです。
サブディレクトリは、ルートドメインのサイト内にある1つのコンテンツとして認識されます。同一、または関連するテーマのサイトを新たに運営したい場合には「サブディレクトリ」が適しています。
サブドメイン、サブディレクトリのSEO効果の違い
サブドメインの特徴
- サブドメインは無料で複数のURLを開設できる
- ルートドメインと独立したURLとなる
- 若干ながらルートドメインの評価を引き継ぐ
- 本体サイトのペナルティも受ける
- サブドメイン間のリンクは内部リンクとして扱われる
サブドメインは、無料で新規URLを開設できるとあって、柔軟性に富んだドメインとなります。ルートドメインとは独立したURLとなるため、異なるテーマのサイト運営に適しています。
一方で、Googleは「本質的にはルートドメインと同じ」と助言しており、もし本体サイトがペナルティを受けると、サブドメインのサイトも一緒にペナルティを受けてしまいます。
それぞれのサイトがサブドメインとして切り分けられた場合、サブドメインに向けられた被リンク効果は、ルートドメインに直接蓄積されるわけではなく、リンクを通じてリンク先にページランクを受け流すという間接的なものになります。
サブディレクトリの特徴
- 同一サイトとして認識される
- ルートドメインの評価をそのまま受ける
- 内部リンクでページランクを渡してもらえる
サブディレクトリは、同じサイトと認識されルートドメインの評価をそのまま受けることができます。同一テーマを扱うコンテンツであれば、サブディレクトリを使うことでSEO的な恩恵があります。
それぞれのサイトをサブディレクトリで展開している場合、記事ページに対して向けられた被リンクは、全て本体のルートドメインに蓄積されます。つまりサイト内のどのページにリンクを張られても、それが内部リンクを通じてサイト内に行き渡り、直接サイト全体の評価の向上につながります。
SEOを意識した場合、どっちを使うべき?
サブドメインとサブディレクトリどちらを使うかは、SEO的な効果を意識するよりも、ユーザーにとってどちらが分かりやすいかで決めるべきです。Googleは「サブドメインだから~~」「サブディレクトリだから~~」といった具体的な評価基準を定めている訳ではありません。
サブドメイン、サブディレクトリの運用事例
サブドメインとサブディレクトリの運用事例からその使い分けを見ていきましょう。
サブドメインで運用「Yahoo!JAPAN、楽天市場」
巨大なポータルサイトとして有名な「Yahoo!JAPAN」、巨大な総合ショッピングモール「楽天市場」などは、サブドメインで運用されている。
▼Yahoo!JAPANの事例
- Yahoo!メール「http://mail.yahoo.co.jp/」
- ヤフオク!「http://auctions.yahoo.co.jp/」
- Yahoo!ファイナンス「http://finance.yahoo.co.jp/」
- Yahoo!ニュース「http://news.yahoo.co.jp/」
- スポーツナビ「http://sports.yahoo.co.jp/」 etc…
▼楽天の事例
- 楽天トラベル「http://travel.rakuten.co.jp/」
- 楽天市場「http://www.rakuten.co.jp/」
- 楽天ブックス「http://books.rakuten.co.jp/」
- 楽天オークション「http://auction.rakuten.co.jp/」 etc…
Yahoo!JAPAN を例にみると、「Yahoo!メール」はメールサービスであり、「ヤフオク!」はオークションサイトである。それらは性質や目的が全く異なり、それぞれが独立しています。このような場合は、サブドメインで運用するのがごく自然です。
もし、これをサブディレクトリにすると、ポータルサイトや掲示板、オークション、ニュース、天気 etc…といった関連性のないコンテンツが混在することになり、一貫性がないテーマの薄いサイトになってしまいます。
サブディレクトリで運用「価格.com、NAVER まとめ」
価格やクチコミで有名な「価格.com」、巨大キュレーションプラットフォーム「NAVER まとめ」などは、サブディレクトリで運用されています。
▼価格.comの事例
- パソコン「http://kakaku.com/pc/」
- 自動車「http://kakaku.com/kuruma/」
- 家電「http://kakaku.com/kaden/」
- スマートフォン「http://kakaku.com/keitai/」 etc…
▼NAVER まとめの事例
- ガールズ「http://matome.naver.jp/girls」
- ニュース・ゴシップ「http://matome.naver.jp/news」
- おもしろ「http://matome.naver.jp/humor」
- ビジネススキル「http://matome.naver.jp/business」 etc…
価格.comを例にみると、「パソコン」「自動車」など一見すると内容が異なるように思えますが、「価格を比較する」という1つのテーマの中で、それぞれがカテゴリで分けられ管理されています。
まとめ
結論としては、本体サイトと同じテーマのコンテンツであれば「サブディレクトリ」、役割や目的が異なりテーマに一貫性が無い場合には「サブディレクトリ」で展開するのがごく自然なドメイン運用となります。
SEOにおける優劣はそれほど無いため、どういう意図でどのようなサイト運用をしていきたいかによって使い分けると良いでしょう。